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吊るし切り伐採の費用|ロープで吊り下ろす工法はいくらかかるのか
重機が入らない、電線が近い、隣の家がすぐそこにある。そういう場所の木は、地面から根元を切って倒すことができません。そこで使われるのが吊るし切りです。
先に費用の目安をお伝えします。当社の特殊伐採は1本18,000円〜(ゴミ処理代込み)がスタート価格で、ここから現場の状況によって変動します。一般的な住宅の庭木であれば、総額5〜10万円程度に収まることがあります。 ただし何十年も成長して高木になっている木は特殊伐採でないと切れないケースになり費用が上がります。また幹が太い木は、切ったあとの処分料が増えて料金が上がるケースが見られます。
「特殊な技術だから高い」と書かれているのをよく見かけますが、それだけでは判断のしようがないと思います。この記事では、吊るし切りが実際にどういう作業で、なぜ日数がかかり、どういうときにクレーンより安くなるのかを、当社の実費とあわせてご説明します。
吊るし切り伐採とはどういう作業か
吊るし切りは、作業者が木に登り、枝を一本ずつロープで吊り下ろしながら切っていく工法です。幹も上から数十センチずつ輪切りにして、同じようにロープで吊って下ろします。木を倒すのではなく、上から少しずつ分解して地際まで持っていく、とイメージしてください。
枝や幹をロープでコントロールしながら下ろす技術はリギングとも呼ばれます。業者のサイトで「リギング伐採」と書かれていたら、この吊るし切りのことだと思っていただいて差し支えありません。
実際の作業は次のように進みます。
作業者がロープで木に登る。 ここで足場を組むわけでも、脚立に乗るわけでもありません。
枝を1本ずつ切り、ロープで吊って下ろす。 落とすのではなく、下ろします。真下に建物や植栽があれば、なおさら落とせません。
幹を上から数十センチずつ輪切りにして吊り下ろす。 一度に長く切ると重すぎて制御できなくなります。
下ろした材を細かくして運び出す。 ここが意外と時間のかかる工程です。
積み込んで運搬する。
つまり、「切る」のは全工程のごく一部です。大半の時間は「安全に下ろす」ことと「運び出す」ことに使われています。費用の話をするときに、ここを知っておいていただけると納得しやすいと思います。
吊るし切り伐採の費用はいくらか
当社の料金は樹高で区分しています(すべて税込)。
| 区分 | 価格 |
|---|---|
| 低木(3m未満) | 1,800円〜(通常2,250円) |
| 中木(3m〜5m) | 7,800円〜 |
| 高木(5m以上) | 18,000円〜 |
| 特殊伐採(1本) | 18,000円〜(ゴミ処理代込み) |
吊るし切りが必要になる木は、多くの場合この「特殊伐採」に当たります。いずれもスタート価格で、現場の状況とエリアによって変動します。
一般的な住宅の庭木の伐採であれば、総額5〜10万円程度に収まることがあります。 先ほどもお伝えした2つの例外はこの帯にも当てはまります。何十年も成長して高木になっていれば特殊伐採が必要になって上がりますし、幹が太ければ処分料が増えて上がります。
処分費の目安もお伝えしておきます。枝葉を3トントラック1台分運ぶと、処理場に支払う原価は13,000〜18,000円程度です。運搬と人件費を含めたご提示額は2〜3万円台が目安になります。原価をお伝えしているのは、比較の基準を持っていただくためです。
幹は枝葉のおよそ3倍の重さになります。 太い幹が出る現場ほど処分費が上がるのは、このためです。
吊るし切りとクレーンはどちらが安いのか
これはよくいただくご質問です。現場によって逆転します。
ロープのほうが安くなるのは、機材の手配がまるごと不要になる場合です。 木に登って対応できるなら、高所作業車も警備員も道路使用許可も要りません。参考までに、高所作業車(17〜18m級)の手配費は1日2〜2.5万円、ラフタークレーン35t(オペレーター付)は1日約16万円です。これらが不要になれば、そのぶん総額が下がります。
クレーンのほうが安くなるのは、重機が入る広い現場です。 日数が減るぶん、人件費が下がります。ただし当社の場合、大型クレーンを使う現場はほとんどありません。 使うのは、高さも太さもあり、なおかつ切った木がクレーンでないと搬出できない場合に限られます。
そもそも機材が入らない現場では、選択肢がロープしかありません。 住宅密集地はこれに当たります。
判断は「現場に重機や車両が入れるか」「入れるとして、道路使用許可や警備員が要るか」「ロープで登れる木か」の3点で決まります。現地を見ずに工法を言い切る業者には、なぜそう判断したのかを確認してください。
吊るし切り伐採の費用が上下する2つの要因
費用は「作業量」と「作業の難易度」で決まります。
作業量(本数)は、思ったほど効きません。 一般のご家庭では伐採する木は5本程度に収まることが多く、この範囲では本数によって金額が大きく上下することはありません。金額が上がるのは、空き家・山林・裏山をお持ちで20〜30本になるようなケースです。
大きいのは作業の難易度です。 吊るし切りが必要になる時点で、すでに難易度が高い現場だとお考えください。
場所や木の状態で難しくなるパターン。
- 電線にかかっている — 電力会社の許可が必要になり、重機を使う伐採になるケースが非常に多くなります。多くの造園会社が断るケースが見られます
- 住宅密集地で重機がまったく使えない — 人が木に登り、ロープで吊るして伐採することになります。まさに吊るし切りが必要な現場です
- 何十年も成長した高木 — 特殊伐採でないと伐採できないケースになるため、費用が高くなることがあります
樹木の種類や生え方で難しくなるパターン。
- シュロなど繊維質の木 — 伐採中にチェーンソーに繊維が絡まりやすく、手間がかかります。ヤシ・ソテツ・フェニックス・ワシントニアパームも同様です
- カイヅカイブキ — 枝が密で、切り分けに手間がかかります
- 幹が太い — 切ったあとの処分料が増えて料金が上がるケースが見られます
- ジャングルのように密集している — 一本ずつ倒す方向をつくりながら進める必要があります
- ブロック塀のすぐ側の抜根 — 塀を壊さないよう配慮しながら掘り、ものによっては水道管への影響も調べます
「費用は人日で決まる」という説明を見かけますが、これは正確ではありません。決まるのは作業量と難易度で、日数はその結果として増減します。
吊るし切りの見積書はどこを見ればいいか
伐採業界では「伐採費用 一式」とだけ書かれた見積もりが多く、何にいくらかかっているのか分からないまま契約してしまい、後から追加で見積もりを言われることがあります。
次の内訳が分かれているかを確認してください。
- 伐採費 — 木を切る作業そのもの
- 搬出費 — 切った材を現場から運び出す費用。吊るし切りの現場では、ここが小さくないことが多いです
- 処分費 — 処理場に持ち込む費用。込みか別かを必ず確認してください
- 人件費 — 作業人数と日数
- 重機費 — 使う場合。日数と単価が分かれているか
- 抜根費 — 切り株まで撤去する場合
当社では見積書に内訳を記載することが多く、また経験から事前にゴミの量を読んだうえでお見積りしているため、追加のお見積りを出すことはほぼありません。作業中に蜂の巣が見つかったなど、事前に分かりようがない事態が起きたときだけ、追加のお見積りを作成してご了承をいただいてから作業します。
なお出張費はいただいておりません。 作業後の清掃も当然の作業として無料で行っています(防草シートの敷設など整地を伴う場合は別途お見積りです)。出張費が別途かかる業者もあるため、見積もり時に確認しておくと安心です。
「ゴミ処理代込み」の範囲についても補足します。土・陶器・石・砂利などの持ち帰りをご希望の場合は別途ご相談となります。ウッドデッキなどの加工木は産業廃棄物にあたるため、お引き取りが難しい場合があります。伐採した木は、庭木専用の産業廃棄物処理場へ搬入しています。
実際の費用はいくらだったか
通常帯を先にお伝えします。住宅の庭で数本の伐採であれば、総額5〜10万円程度に収まることがあります。
ここから先は、例外的に難易度が高かった案件です。 一般的な庭木の伐採がこの金額になることはありません。参考としてご覧ください。
約70万円|15m以上・作業5人・3日・一本ずつ吊って下ろし(大阪市) まさに吊るし切りで対応した現場です。5人で3日かかっています。「切る」時間より「下ろす」時間のほうが長い、という話がイメージしやすい規模だと思います。 施工レポート:大阪市 特殊伐採(2025-06)
約80万円|1本・20m程度・作業5人・2日半・重機使用(大阪市) こちらは重機を使った現場です。同じくらいの規模でも、現場が変われば工法が変わります。 施工レポート:大阪市 特殊伐採(2025-09)
370万円|250平米の竹林・作業10人・5日(兵庫県川西市) 面積の大きい竹林の伐採です。庭木の伐採とはまったく規模が異なります。 施工レポート:川西市 特殊伐採・竹林伐採(2025-01)
そのほかの特殊伐採の施工事例もご覧いただけます。
世の中の相場と比べてどうか
判断の基準として、外部の相場も載せておきます。
| 項目 | 相場 | 出典 |
|---|---|---|
| 伐採 3m未満 | 3,000〜9,000円/本 | くらしのマーケット |
| 伐採 3〜5m | 8,000〜20,000円/本 | くらしのマーケット |
| 伐採 5m以上 | 15,000〜30,000円/本 | くらしのマーケット |
これは通常の伐採の相場です。吊るし切りが必要な現場では、ここに搬出と処分の手間が上乗せされます。単価だけを見て安いと判断すると、総額が合わなくなることがあります。
吊るし切り伐採の費用を抑える方法
正直にお伝えすると、依頼せずに済むならそれが一番安いです。そのうえで現実的な選択肢を挙げます。
まず、本当に吊るし切りが必要かを確認する。 重機が入る現場なら、そもそも吊るし切りにする必要がありません。逆に吊るし切りにすることで高所作業車や警備員の手配が不要になるなら、そちらのほうが安くなります。複数社に「なぜこの工法なのか」を聞いてみてください。 説明できる業者は現場を見ています。
相見積もりを取り、内訳で比べる。 総額だけでなく、処分費が込みか別か、重機費が何日分かを並べて見てください。
処分を自分で引き受ける。 自治体のルールで出せるサイズにできる場合や、薪として使う予定がある場合は、処分費のぶんを減らせることがあります。ただし幹は枝葉の約3倍の重さです。無理はなさらないでください。
背が高くなる前に手を入れる。 吊るし切りが必要になるのは、木が大きくなりすぎたからです。まだ地面から届く高さのうちに剪定や伐採を検討したほうが、結果的に安く済みます。
自分で切るのは、吊るし切りが必要な木では絶対にやめてください。 脚立や梯子の上でチェーンソーを使うのは、最も事故が多いパターンです。林業の死傷年千人率は22.8(令和5年)で、全産業平均2.4のおよそ10倍。死亡災害の約7割は伐木作業で起きており、特にかかり木に関係する事故が多くなっています(林野庁 令和6年度森林・林業白書)。かかり木とは、切った木が他の木に引っかかって倒れきらない状態のことで、吊るし切りが必要な密集した現場ほど起きやすいものです。
シルバー人材センターは対象外です。 対応の目安は概ね樹高3〜4mまでで、チェーンソーを使う伐採や高所作業は依頼できません。剪定ゴミの回収を行わないことも多いです。
吊るし切りが必要な木を放置するとどうなるか
倒れて他人に損害を与えた場合、所有者が責任を負います。 民法717条は、工作物の設置・保存に瑕疵があって損害が生じたとき、まず占有者が賠償責任を負い、占有者が必要な注意をしていたときは所有者が無過失責任を負うと定めています。第2項で竹木の栽植・支持の瑕疵にも準用されます。
隣地へ枝が越境した場合も対応が必要です。 民法233条は、越境した枝は原則として木の所有者に切除させると定めています。2023年4月1日施行の改正で、催告しても相当期間内に切除されない場合、所有者が不明・所在不明の場合、急迫の事情がある場合には、隣地側が自ら切除できるようになりました。
そして、放置するほど費用は上がります。 幹が太くなれば処分料が増え、高くなれば工程が増えます。吊るし切りが必要な状態というのは、すでに「放置した結果」であることが多いのです。ここからさらに待つ理由はあまりありません。
伐採に関わる法律と資格
山林の木を切る場合は届出が必要なことがあります。 森林法10条の8により、地域森林計画の対象となる民有林の伐採は市町村長への届出が必要で、伐採を始める90日前から30日前までに行います。保安林の伐採は森林法34条により都道府県知事の許可が必要です。一般家庭の庭木は通常これらの対象外です。
資格については誤解が多いところです。 労働安全衛生規則36条8号は、特別教育を要する業務として「チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務」を規定しています。ただし労働安全衛生法59条3項が定めているとおり、この義務の主体は事業者で、対象は労働者です。ご自身の庭の木をご自身で切る場合にそのまま当てはまる規定ではありません。ただし、吊るし切りが必要な高さの木をご自身で切るのは、資格の話とは別に危険です。おやめください。
参考までに、当社では次の講習・特別教育を修了した者が作業にあたっています。
- チェーンソーによる伐木等の業務に係る特別教育
- 刈払機取扱作業者安全衛生教育
- フルハーネス型墜落制止用器具 特別教育
- 高所作業車運転技能講習(作業床の高さ10m以上)
- 小型移動式クレーン運転技能講習(ユニック車)
- 玉掛け技能講習
また、賠償責任保険・火災保険に加入しています。万が一、作業中に物を破損した場合の備えです。
業者を選ぶときに確認したいこと
吊るし切りは、対応できる業者がそもそも限られます。次の点を確認してください。
- 現地を見てから見積もりを出すか。 電話やメールだけで金額を言い切る業者は、難易度を見ていません
- なぜその工法なのかを説明できるか。 ロープなのか重機なのか、理由を聞いてみてください
- 見積書の内訳が分かれているか。 伐採費・搬出費・処分費・人件費が分かれているか
- 処分費が込みか別か
- 出張費がかかるか
- 実際に施工するのは自社か下請けか
- 保険に入っているか
チェックリストの外の話として、参考までに当社の場合をお伝えします。株式会社ENISIAは大阪本部・兵庫店・京都店の3拠点で、大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県に対応しています。受注から施工まで自社で行うため、中間業者の経費がかかりません。大阪府を中心に関西で累計相談500件以上をいただいています。
他社に断られてからご相談いただくことが多いのが、この吊るし切りの領域です。 断られる理由は技術がないというより、木に登って作業できる人がいない・必要な装備を持っていない・職人の年齢的に高所作業が難しい・剪定専門で伐採の設備がないという業界の構造的な事情です。実際にお客様からも「他の造園屋さんに断られて半分諦めていた」というお声をいただきます。技術的にお断りするケースはほとんどありませんので、まずはお気軽にご相談ください。
大木の伐採料金全体については大木伐採の料金と費用の目安を、特殊伐採のサービス内容は特殊伐採のご案内をご覧ください。
よくある質問
吊るし切り伐採の費用はいくらですか。 当社の特殊伐採は1本18,000円〜(ゴミ処理代込み)がスタート価格です。一般的な住宅の庭木であれば総額5〜10万円程度に収まることがありますが、何十年も成長して高木になっている場合や幹が太い場合は、金額が上がることもあります。
吊るし切りとリギングは違うものですか。 同じ作業を指しています。枝や幹をロープでコントロールしながら吊り下ろす技術をリギングと呼び、それを使った伐採が吊るし切りです。
吊るし切りとクレーンではどちらが安いですか。 現場によって逆転します。ロープで登れる木であれば、高所作業車や警備員、道路使用許可が不要になるぶん安くなることがあります。逆に重機が入る広い現場では、クレーンを使ったほうが日数が減って安くなることもあります。
なぜ吊るし切りは日数がかかるのですか。 枝を一本ずつロープで吊って下ろし、幹も上から数十センチずつ輪切りにして下ろすためです。「切る」のは全工程のごく一部で、大半は安全に下ろすことと運び出すことに使われます。
高い木でもクレーンなしで切れますか。 現場によります。ロープで登れる木であれば、クレーンや高所作業車を使わずに対応できる場合があり、そのぶん費用を抑えられます。
切りにくい木はありますか。 シュロ・ヤシ・ソテツ・フェニックス・ワシントニアパームは繊維質でチェーンソーの刃が通りにくく、特にシュロは伐採中に繊維が絡まりやすい木です。カイヅカイブキも枝が密で切り分けに手間がかかります。
切った木の処分費はいくらですか。 3トントラック1台分の枝葉で、処理場に支払う原価が13,000〜18,000円程度、運搬・人件費を含めたご提示額は2〜3万円台が目安です。幹は枝葉の約3倍の重さになるため、太い木ほど処分費が上がります。
他社に断られたのですが、対応してもらえますか。 技術的にお断りするケースはほとんどありません。まずはお気軽にご相談ください。
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株式会社ENISIA TEL 06-6210-7250(受付 8:00〜20:00/土日祝も対応) Webフォームは24時間365日、LINEでのお見積もりも承っています。 対応エリア:大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県
