伐採に許可や届出は必要?庭木は原則不要、保安林は知事の許可が必要です

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伐採コラム 作成日:2026.09.01

伐採に許可や届出は必要?庭木は原則不要、保安林は知事の許可が必要です

木を切る前に役所へ届け出が必要かどうかは、木の種類でも大きさでもなく、その木が生えている土地の区分で決まります。結論から書きます。

  • 自宅のお庭の木は、通常は届出の対象になりません
  • 地域森林計画の対象になっている民有林の伐採は、市町村長への届出が必要です(森林法10条の8)。伐採を始める90日前から30日前までに出す必要があります
  • 保安林の伐採は、都道府県知事の許可が必要です(森林法34条)

「うちの裏山は、このどれに当たるのだろう」というのが、いちばん多いご質問です。この記事では、その調べ方と、実際に切るときの費用の目安まで書きます。大阪府を中心に関西で累計相談500件以上をお受けしてきた造園会社の立場からまとめました。

自分の土地がどれに当たるかを調べる

伐採届の確認から見積もりまでの順番を示す図解
庭木、地域森林計画対象林、保安林の違いと確認先を示す図解

土地の区分は、市町村または都道府県の森林担当窓口で確認できます。ご自身の土地の所在地(地番)を伝えれば、地域森林計画の対象林に入っているか、保安林の指定を受けているかを教えてもらえます。

急いでいただきたい理由があります。森林法10条の8の届出は「伐採を始める90日前から30日前まで」と期間が決まっています。工事の直前に確認しても、届出が間に合いません。業者に見積もりを頼むより先に、土地の区分だけ確認しておくのが安全な順番です。

保安林の場合は、届出ではなく都道府県知事の許可です。許可には審査があるため、こちらも時間の余裕を見てください。

お庭の木であれば、この手続きは通常必要ありません。ただし「庭のつもりだったが登記上は山林」という土地もあります。山を背負ったお宅、相続した実家、空き家の敷地などは、一度確認しておくと安心です。

伐採に資格は必要ですか

低い庭木と高所や電線近くの危険な伐採を比較する図解

ご自身の木をご自身で切る場合について、正確に書きます。

労働安全衛生規則36条8号は、特別教育を要する業務として「チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務」を規定しています。そして労働安全衛生法59条3項により、この特別教育の義務主体は事業者、対象は労働者です。

つまり条文上、特別教育が義務づけられているのは、事業者が労働者に伐木作業をさせる場合の話です。ご自身の木をご自身で切る場合の扱いについては、ご不安であれば労働基準監督署にご確認ください。

ただし、義務があるかどうかと、安全かどうかは別の話です。林野庁の令和6年度森林・林業白書によると、林業の死傷年千人率は22.8(令和5年)で、全産業平均2.4の約10倍です。死亡災害に占める伐木作業の割合は約7割で、特にかかり木(切った木が他の木に引っかかること)に関係する事故が多いとされています。

背が低く、周囲に何も無い場所の木であればご自身でも可能です。一方、高い木、電線や建物の近く、傾いている木、隣家に枝が出ている木は、無理をしないでください。

参考までに当社が保有している資格を挙げておきます。チェーンソーによる伐木等の業務に係る特別教育、刈払機取扱作業者安全衛生教育、フルハーネス型墜落制止用器具 特別教育、高所作業車運転技能講習(作業床の高さ10m以上)、小型移動式クレーン運転技能講習(ユニック車)、玉掛け技能講習です。

手続きが必要な土地は、費用も変わりやすい

山林や裏山の伐採費用が本数と難易度で変わることを示す図解

届出や許可が必要になる土地は、お庭とは条件が違うことがほとんどです。費用の考え方も変わります。

まず基準になる金額から書きます。一般的な住宅の庭木であれば、伐採の総額は5〜10万円程度に収まることがありますただし例外が二つあります。

何十年も成長して高木になった木は、特殊伐採を行わないと伐採できないケースになるため、費用が高くなることがあります。

幹が太い木は、切ったあとの処分料が増えて料金が上がるケースが散見されます。幹は枝葉のおよそ3倍の重さになるためです。

そのうえで、金額が上下する理由は大きく二つに分かれます。

作業量(本数)。一般のご家庭では切る木が5本程度に収まることが多く、その範囲では費用が大きく上下することは少ないです。ところが空き家・山林・裏山をお持ちの場合は20〜30本になるケースも多く、この場合は作業日数が増えるため金額が上がります。届出や許可が必要になる土地は、まさにこちらに当たります。

作業の難易度。こちらのほうが影響が大きい要因です。電線にかかっている木は電力会社の許可が必要になり、重機を使う伐採になることが非常に多く、多くの造園会社が断るケースが散見されます。住宅密集地で重機がまったく使えない現場では、実際に人が木に登り、ロープで吊るして下ろす作業になります。ほかに、シュロのように繊維質でチェーンソーに繊維が絡まりやすい樹種、ジャングルのように密集した生え方、ブロック塀のすぐ側での抜根なども難易度が上がります。

参考までに、当社の公式サイト価格は樹高3m未満の低木が1,800円〜(通常2,250円)、3m〜5mの中木が7,800円〜、5m以上の高木が18,000円〜、特殊伐採が1本18,000円〜(ゴミ処理代込み)です。いずれも税込のスタート価格で、現場状況・エリアによって変動します。

外部の相場も参考に挙げておきます。

項目相場出典
伐採 3m未満3,000〜9,000円/本くらしのマーケット
伐採 3〜5m8,000〜20,000円/本くらしのマーケット
伐採 5m以上15,000〜30,000円/本くらしのマーケット

2026年8月時点で確認した数値です。

見積書のどこを見るか

伐採見積書の内訳確認ポイントを示す図解

伐採の見積もりは、一般的な造園会社であれば次の組み立てでつくられています。

伐採費 + 搬出費 + 処分費 + 人件費(切り株まで撤去する場合は抜根費)

業界には「伐採費用 一式」とだけ書かれた見積もりが少なくなく、何にいくらかかっているのか分からないまま契約し、後から追加で見積もりを言われることもあります。内訳が分かれているかどうかを、まず見てください。

特に本数が多くなる山林・裏山の作業では、処分費が総額を左右します。当社は自社の処理場を持っておらず、伐採した木は庭木専用の産業廃棄物処理場へ搬入しています。枝葉の処分費は、3トントラック1台分で処理場に支払う原価が13,000〜18,000円程度、運搬・人件費を含めたご提示額は2〜3万円台が目安です。

原価まで書いたのは、「処分費がいくらなら妥当なのか」の物差しを持っていただくためです。総額が安いのに処分費まで安すぎる見積もりは、そもそも持ち帰る想定になっていない可能性があります。

土・陶器・石・砂利などの持ち帰りをご希望の場合は別途相談となります。ウッドデッキなどの加工木は産業廃棄物にあたるため、お引き取りが難しい場合があります。清掃は当然の作業として無料で行っていますが、防草シートの敷設など整地を伴う作業は別途お見積りです。

費用を抑えたいときに、できること

伐採費用を抑える前に確認する条件を示す図解

シルバー人材センターという選択肢。植木の剪定であれば1名1日12,000〜15,000円程度で依頼できます。ただし危険な作業は依頼できず、対応の目安は概ね樹高3〜4mまで、チェーンソーを使う伐採や高所作業は不可、剪定ゴミの回収を行わないことが多い、という制限があります。届出が必要な規模の伐採には向きません。

相見積もりを取る。総額だけでなく、内訳・処分費・出張費の扱いを揃えて比べてください。あいみつで出張費を請求する業者も多くなっていると聞きます。見積もり時に確認しておくと安心です。

処分を自分でやる。量が少なければ、切った木をご自身で処分場や自治体の受け入れ先へ運ぶことで、処分費と運搬費を抑えられる場合があります。

補助金を確認する。森林の危険木については、関西では次の3市に補助制度があります。いずれも森林内の樹木が対象で、住宅の庭木は対象外です。届出・許可が必要な土地をお持ちの方は、むしろ対象になる可能性があります。

自治体制度名補助内容
京都市危険木等伐採支援事業伐採・現場集積費の75%以内、土地1筆あたり上限30万円(搬出・処分費は対象外)
加古川市危険木伐採等支援補助金委託費用の1/2以内、上限25万円(胸高直径20cm以上・樹高5m以上)
三田市危険木伐採等事業補助金費用の1/2以内、上限20万円(胸高直径20cm以上・樹高5m以上)

出典:各自治体公式サイト(.lg.jp)にて2026年8月時点で確認。

府県レベルでは、大阪府・京都府・和歌山県の造林補助金がいずれも補助率40%です。兵庫県には県民緑税を財源とする「災害に強い森づくり」があり、里山防災林整備に危険木除去が含まれます。

いずれの制度も「着工前の申請」が条件です。切ってから申請しても対象になりません。森林法の届出(90日前から30日前まで)と補助金の事前申請は、どちらも「先に手を打つ」必要がある点で共通しています。順番を間違えないようにしてください。制度は年度で変わりますので、必ず自治体の公式サイトで当年度の内容をご確認ください。

放置したときに起きること

手続きが面倒だからと先送りにすると、費用の問題では済まなくなることがあります。

倒れたときの責任。民法717条は、工作物の設置・保存の瑕疵で損害が生じたとき、まず占有者が賠償責任を負い、占有者が必要な注意をしていたときは所有者が無過失責任を負うと定めています。第2項で竹木の栽植・支持の瑕疵に準用されます。離れて住んでいる実家や空き家の木でも、持ち主の責任は残ります。

隣家への越境。民法233条では、越境した枝は原則としてその所有者に切除させることになっています。2023年4月1日施行の改正により、①催告しても相当期間内に切除しない ②所有者が不明・所在不明 ③急迫の事情がある、のいずれかに当たれば、越境された側が自ら切除できるようになりました。

空き家をお持ちの場合。空家法2条の「空家等」には建築物及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む)が含まれます。22条では、市町村長が特定空家等の所有者に立木竹の伐採その他の措置を助言・指導→勧告→命令→行政代執行できるとされています。2023年改正で新設された「管理不全空家等」(13条)でも、指導・勧告の対象に立木竹の伐採が含まれます。

難易度が上がる。何十年も成長して高木になった木は、特殊伐採を行わないと伐採できないケースになります。同じ木でも、早いほど作業が単純に済みます。

業者を選ぶときに確認したいこと

伐採業者選びで土地区分や見積内訳を確認する図解
  • 見積書の内訳を出してもらえるか(伐採費・搬出費・処分費・人件費が分かれているか)
  • 処分費が含まれているか、別なのか
  • 出張費がかかるか
  • 現地を実際に見てから見積もりを出すか
  • 土地の区分(森林法の届出・保安林)について、確認を促してくれるか
  • 作業中の破損に備えた保険に入っているか
  • 実際に作業するのは誰か(受注した会社がそのまま施工するのか、下請けに出すのか)

参考までに当社の場合は、見積もりの詳細(内訳)を記載することが多く、経験値から事前にゴミの量を読んだうえでお見積りしているため、追加でお見積りを出すことはほぼありません。作業中に蜂の巣が見つかった場合など、事前に分かりようがない事態が起きたときのみ、追加のお見積りを作成し、ご了承をいただいてから作業します。出張費はいただいていません。賠償責任保険・火災保険に加入しています。受注から施工まですべて自社で行うため、中間業者の経費がかかりません。

「重機が入らない」「高すぎる」「電線がある」といった理由で他社に断られた場合も、技術的にお断りするケースはほとんどありませんので、まずはお気軽にご相談ください。

実際の施工レポート

高木や空き家の敷地の伐採は、次のレポートでご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 自宅の庭木を切るのに、役所への届出は必要ですか?

A. 一般家庭のお庭の木であれば、通常は届出の対象になりません。届出が必要になるのは、地域森林計画の対象になっている民有林の場合です(森林法10条の8)。土地の区分は市町村または都道府県の森林担当窓口で確認できます。

Q. 保安林の木を切るには、どうすればいいですか?

A. 保安林の伐採には都道府県知事の許可が必要です(森林法34条)。手続きの内容は都道府県によって異なりますので、その土地を管轄する都道府県の森林担当窓口にご確認ください。審査に時間がかかるため、早めの確認をおすすめします。

Q. 森林法の届出は、いつまでに出せばいいですか?

A. 地域森林計画の対象になっている民有林の伐採届は、伐採を始める90日前から30日前までに市町村長へ提出する必要があります。工事の直前では間に合いませんので、見積もりを取る前に土地の区分を確認しておくことをおすすめします。

Q. 自分の土地が保安林かどうか、どうやって調べますか?

A. 土地の所在地(地番)をもとに、市町村または都道府県の森林担当窓口で確認できます。庭のつもりでも登記上は山林という土地もありますので、山を背負ったお宅、相続した実家、空き家の敷地は一度確認しておくと安心です。

Q. 伐採に資格は必要ですか?

A. 労働安全衛生規則36条8号は、特別教育を要する業務として「チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務」を規定しています。労働安全衛生法59条3項により、この特別教育の義務主体は事業者、対象は労働者です。ご自身の木をご自身で切る場合の扱いについては、労働基準監督署にご確認ください。なお、林野庁の令和6年度森林・林業白書によると、林業の死傷年千人率は22.8(令和5年)で全産業平均2.4の約10倍、死亡災害に占める伐木作業の割合は約7割です。高い木や電線の近くの木は、無理をしないでください。

Q. 山林の木を何本も切ると、費用はどのくらいになりますか?

A. 一般的な住宅の庭木であれば、総額5〜10万円程度に収まることがあります。ただし何十年も成長して高木になっている場合は特殊伐採が必要になり、また幹が太い場合は処分料が増えるため、金額が上がることもあります。そのうえで山林・裏山・空き家では本数が20〜30本になるケースも多く、この場合は作業日数が増えるため、さらに金額が上がります。現地を見てのお見積りになります。

Q. 補助金と届出、どちらを先にすればいいですか?

A. どちらも作業を始める前です。補助金は着工前の申請が条件で、森林法の届出は伐採を始める90日前から30日前までと期間が決まっています。まず土地の区分を確認し、補助制度の有無を調べたうえで、業者に見積もりを依頼するという順番が安全です。

Q. 対応エリアはどこまでですか?

A. 大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県に対応しています。大阪本部・兵庫店・京都店の3拠点体制です。

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