【御神木 伐採】神聖な木を守るか切るか 信仰と安全のはざまで揺れる判断とは🌲⛩️

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造園コラム 伐採コラム 作成日:2025.04.12

【御神木 伐採】神聖な木を守るか切るか 信仰と安全のはざまで揺れる判断とは🌲⛩️

御神木(ごしんぼく)の伐採は、単なる木の伐採とは異なり、文化・信仰・安全・経済など多くの要素が交錯する非常に繊細な問題です。

今回は「御神木 伐採」というテーマに焦点を当て、なぜ伐採が行われるのか、どのような配慮が必要なのか、そしてその背後にある人々の思いや現実について、詳しくご紹介します。

御神木とは何か?大木すべてが御神木ではない

御神木とは、神社の境内に立つ神聖な木で、神様の依代(よりしろ)とされている特別な存在です。

ただし、すべての大木が御神木というわけではありません。

宮司の判断により、ご神体として信仰の対象とされている木だけが御神木です。

境内にあるからといって、必ずしも神様が宿る木とは限らず、誤解されている方も少なくありません。

伐採の検討に入る際には、まずその木が本当に御神木であるかの確認が必要です。

御神木が伐採される主な理由

御神木であっても、現実問題として伐採が必要になるケースがあります。

その背景には次のような理由があります

✅倒木の危険性がある場合 長年にわたり手入れされず巨大化した御神木は、台風や地震などの自然災害で倒れるリスクが高くなります。

倒木による人的・物的被害を未然に防ぐため、やむを得ず伐採を選択することがあります。

✅周辺への影響が大きい場合 木の根が境内の石垣を崩したり、枝葉が道路や電線にはみ出してしまうなど、周囲に影響を与えてしまうケースもあります。

住民の安全や交通の確保の観点から、伐採が選ばれることも。

✅財政的な問題 御神木の維持には費用がかかります。

神社の所有者が亡くなった後、相続や固定資産税の関係で土地を手放すケースもあり、御神木が伐採対象になることもあります。

保護樹木制度の課題

多くの自治体では、御神木のような貴重な木を「保護樹木」「保存樹木」として指定し、管理費を補助する制度があります。

しかし、補助金が年数千円程度にとどまり、実際の維持管理費(年間50万円以上)には到底及ばないことが多く、制度として機能していないという声もあります。

このため、所有者にとっては重い負担となり、結果として伐採の選択肢しか残らないケースも出てきています。

御神木の伐採は祟りを呼ぶ?信仰と文化のはざまで🌲⛩️🙏

「御神木を切ると祟りがある」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

これは、古来より木に宿る精霊「木霊(こだま)」の存在を信じる日本独自の信仰に基づくものです。

特に、私利私欲の目的や神聖さを冒とくする形での伐採は「祟りを招く」とされており、慎重な対応が求められます。

御神木を伐採する際に行うべき「御霊鎮めの儀式」

やむを得ず御神木を伐採する際には、「御霊鎮め(みたましずめ)」という儀式が行われます。

この儀式では、木霊の移動先として同じ種類の苗木を植えたり、小さな祠を建立して木霊を鎮めたりします。加えて、一定期間祈祷を捧げるなど、信仰的なケアが行われます。

このように、伐採そのものを「終わり」とせず、次の世代に文化や信仰をつなぐための儀式も重要な役割を果たしています。

御神木の伐採にかかる費用と経済的矛盾

御神木の伐採には、200~300万円の費用がかかる場合もあり、非常に高額です。一方で、あまりにも太く大きな木は製材機に入らず、木材としての価値がほとんどないという矛盾も。

つまり、伐採には高額な費用が必要なのに、伐った木を有効利用できないという現実があるのです。

信仰と安全、その両立のために必要なこと

御神木の伐採には、信仰・文化・安全・環境・経済のバランスが求められます。

私たちは、こうした特別な伐採に対しても、信仰を尊重しつつ、地域や関係者と丁寧に話し合いを重ねながら進めていく姿勢を大切にしています。

今後も、文化財的価値を持つ木々を守りつつ、安心して暮らせる地域環境を維持していくために、御神木の適切な伐採や保全について、正しい理解と対話が必要です。

御神木の伐採を考えたときに大切なこと

御神木の伐採は、単なる作業ではなく、地域の信仰や文化、そして安全や環境といった様々な価値観が交差する繊細な選択です。

やむを得ない事情がある場合でも、正しい手順と配慮をもって進めることで、信仰を大切にしながら安心できる環境を守ることができます。

もしもご神木や大木の管理にお悩みであれば、信仰への配慮や伐採のノウハウに長けた「伐採のプロ」にぜひご相談ください。

経験豊富な専門業者なら、環境と信仰の両立を目指した最適なご提案が可能です。

大切な自然と信仰の橋渡し役として、私たちはこれからも真摯に対応してまいります。

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